V フィラリア予防薬の個人輸入 個人輸入業者さんに期待すること
海外居住者が、希望者の依頼を受けてから近所の薬局で買い付けたフィラリア予防薬を日本の飼主さんに届けることを個人輸入業と呼ぶのであれば、これは海外居住者なら誰でも副業でも出来てしまう業種です。
居住者は居住国の規制に従えばいいのですから、フィラリア予防薬が家庭薬として販売されている国々(つまり、ほとんどの国)なら、最初は街角の薬局からでも、動物病院からでも購入することができます。日本で、例えばパブロンを毎日まとめて買えば不思議には思われるでしょうが、売ってくれないよりも割引をしてくれるところの方が多いでしょう。
日本と海外の小売価格に数倍もの格差があるのですから、これだけでも商売になってしまいます。
現にネットで確認するとフィラリア予防薬は近隣十カ国以上の国から日本向けに送られています。

見当たらないのは北朝鮮、ミャンマー、パプアニューギニア、インドネシアくらいなものです。
つまり、日本の動物病院価格というのはそれほど馬鹿げているということです。
フィラリア予防薬の個人輸入はかくも簡単な話ですから、当初は海外居住者の副業が多かったように思います。
しかし、その後需要が増えるにしたがって、本格的な事業参入がされるようになり、今では大半の業者さん達の仕事は副業ではなく、自分の居住国の規制に従って、ディーラーから仕入れ、在庫を持って通信販売をする、れっきとした『輸出業者』です。
また、人間薬の個人輸入業者さんが業容を拡大してやっているところも多いようです。

インターネットの時代になって、日本の飼い主さんにも海外の飼い主さんと同じように、自分で自分の飼い犬に予防をしてあげられるようにしてきたという面では業者さん達の功績は大きいですが、しかし今でも業者さん達の仕事を胡散臭い眼で見る人達が沢山いることは事実です。
動物病院の価格の数分の1で商品が買えるとなれば、フィラリアの業界事情を知らない飼い主さんの大半は逆に価格が安いが故に眉に唾をつけたくなるでしょう。
業界による根強いネガティブ・キャンペーンも、飼い主さんが個人輸入することをためらわせているかもしれません。

また、個人輸入を業とするためには、海外と国内で大きな価格差が存在するという前提が必要です。
海外業者が胡散臭く見えるのは、値段が極端に安いからだけでなく、動物病院業界の高価格に寄生して甘い汁を吸っている、つまり日本の動物病院の高価格に寄生して、その分け前を横取りするだけのビジネスにすぎないのではないか、と消費者が感じとっているからかもしれません。消費者だけでなく既得権側にいる人たちはみなそう感じるでしょう。

どちらにしろ、イメージとしては未だに「ゲリラ・ビジネス」、「ニッチ・ビジネス」であり、その功績部分は正当に評価されていないような気がします。「仕事として儲かればそれでいいんだ」という業者さんもいるかもしれませんが、フィラリア予防薬の海外からの販売をそれだけで済ませてしまっては「もったいない」話です。

カルドメックやフロントラインのメーカーであるメリアル社の関連ホームページによれば、今日本で予防薬を与えられている犬達は全体で3頭に1頭に過ぎないそうです。
オーストラリアのクインズランドでは、飼い犬全体の70%以上が予防をしてもらっているそうですから、日本の予防普及率はまだまだ低いし、もし日本の犬の総数が1,200万頭という数字を信じるなら、800万頭の犬が予防薬をもらっていないことになります。
(日本のフィラリア感染について考える上で、この数字の持つ意味は重いので 別のページで改めて触れます。)
フィラリア予防が普及しないのはなぜか?

この800万頭の犬が未予防だというのには、もちろん飼い主さんの知識不足が大きな理由でしょうが、他にも犬の生涯に渉る予防に費用がかかりすぎるとか、近所に動物病院がないとか、いろいろな理由もあるでしょう。
いずれにせよ、この800万頭は動物病院が開発を出来ていない潜在市場です。

この市場を動物病院が開拓できるとは思いません。
今迄に開拓できていないからこそ、これだけの数の予防をしてもらえていない犬達が存在しているのです。
動物病院は周囲何キロの点の商売です。
ネットで顧客を誘引するよりも、お客さん同士が知り合いだったり、お客さんの紹介で新しくお客さんになったりする世界です。
おまけに自分の商圏には他の動物病院もあるのが普通で、そこは競合先であると同時に同じ業界の仲間でもあります。
そのようなビジネス環境では、新規客を増やすために従来の客の利益を損なうわけにいきません。
もし仮に、フィラリア予防薬の新規客を開拓するために価格を下げるとすれば、従来客の分も価格を下げなければならないのが動物病院の辛いところです。もちろん、隣の病院から厭味を言われることも覚悟しなければなりません。
フィラリア予防薬を値下げ出来るのは既存客のいないのが強みの新規開業病院ということになりそうですが、普通には近隣との共存を選ぶでしょう。自営業の動物病院であっても、フィラリア予防薬を思い切って安く出来ないのには、そんな背景もあります。

また、動物病院は獣医学の専門家とされていても、その飼い主さんを教育する能力はまったく別のものですし、病院を経営しながらの飼い主教育には大きな限界があります。
ネットと違って、動物病院で教育できる対象は基本的には病院に来るお客さんですから、すでにフィラリア予防をしているでしょう。
それに対して、フィラリア予防をしてもらえない犬がこれだけ多いのは、病院に足を運ばない飼い主さんがそれだけ多いからです。
動物病院はこの飼い主さん達にほとんど影響力を行使できません。
今まで動物病院に行かない飼い主さん、フィラリアの知識がない飼い主さんが自分の犬に予防薬を与えるように啓蒙活動をすることは、むしろ海外業者さんの方が向いているように思えます。

フィラリア予防薬業界の背景


なぜ処方薬なのか?

投与前検査とは何か? 

フィラリア予防薬の危険性

通年投与の提案

人輸入なら費用は動物病院の数分の1

全国動物病院フィラリア予防薬価格調査

個人輸入の通関時の規制の説明

フィラリアとはどんな虫か?

フィラリアの生活環

フィラリア感染犬の治療法





海外業者さんに期待されるフィラリア予防普及促進への取り組み 海外業者さんに期待できる理由の第一は、海外からの通信販売である以上業者さんは情報発信のプロだということです。
インターネットビジネスでは、どんなに立派なことを言っても、それを見てくれる人がいなければ何にもなりません。その点で個々の動物病院の情報発信力は明らかに見劣りします。
動物病院のサイトは多くありますが、フィラリアについて認識のない飼い主さんは動物病院のホームページを見ることも少ないでしょう。
対して、もし海外業者のサイトが、フィラリア予防をしていない800万頭に狙いをつけて情報を発信すれば、動物病院には出来ない方法と規模で情報発信が可能です。
例えば、プレゼント・サイトを利用して、フィラリア予防薬以外のものを景品にして応募をさせているサイトがありました。
どの程度の効果があるか知りませんが、それだと景品に興味を持った人が集まり、当然その中には犬を飼っている人もいて、その3分の2はフィラリア予防をしていない人達だということになります。
業者さんはネットで生活しているのですから、もちろんネットはお手のもの、Twitter, Blog, Facebook,アフィリエイト,メルマガ、ステマ何でもありです、

他にも、震災被災地の犬の飼い主さんにフィラリア予防薬を無償提供したサイトがありました。
動物病院のブログなどで「売名行為」だと貶されていたようですが、仮に売名行為であったにしても、それが話題になり、多くの犬達がフィラリア予防をしてもらえたことは間違いありません。中には「折角無料だから・・」ということで初めて予防をしてもらった犬がいたことも間違いないでしょう。
この手の企画ものやイベントものは海外業者でなければ出来ません。

第二に、業者さんにとっては日本全国がマーケットです。動物病院が点の商売であるとすれば面の商売です。
1,000人に一人、10,000人に一人の購入者でも全国ではかなりの数になるでしょう
フィラリア予防をしたいけれど、半年で数千円かかるのでは尻込みをする飼い主さんがいて当然です。
合理的な価格でそんな需要を拾い上げられるのも通販業者の利点です。
海外からであれ国内からであれ予防薬の効果は同じです。
業者さんであれば自分のところから配送後は郵便局なりEMSなりが後の面倒を見てくれます。

第三に、海外の業者さんは基本的にはサービス業です。扱いがフィラリア予防薬に特化しているのですから、広範な獣医学の知識は要りません。
自社でジェネリックを生産したり、海外の獣医師を顧問にしているところもありますが、 日本の飼い主さんが購入する理由は、一に価格、二にサービスでしょう。
フィラリアの知識を普及させることもサービスですが、業者さんはサービス業であるが故に動物病院では絶対に出来ないところの「購入者が新しい購入者を拡げる」効果を持つマーケティングができます。
業者さん達はいわゆるクチコミによる購入者の枝葉を拡げるために、リピーター優遇に留まらず、ブログ、ツイッター、facebookなどを活用してアフィリエイトは言うに及ばず、実に様々な販促手段を講じています。
もちろん、評判のいい動物病院のクチコミも拡がるでしょうが、来院できる飼い主さんはネットのように全国からというわけにはいきません。

第四に、海外業者さんには業者同士の自由競争が存在します。
業者さんはいろいろな国に散在しているのですから、業界団体など作りようがないでしょう。価格協定などもっての外です。
どの業者さんも価格とサービスで他社に勝たなければなりません。
競争のある業界は伸びる業界です。
動物病院で開拓できていない800万頭の犬達は誰にも既得権のない草刈場であるはずです。
ポジティブに考えれば、海外業者さんの目の前にはこの800万頭の潜在マーケットが手付かずであるといえます。

慎重な業者さんは事業規模が伸びてしまうことで動物病院の神経を逆なでしてしまうと、業界が行政への規制強化を求めることを危ぶむ向きもあるようです。
行政がその気になれば製品を税関で留めることができるのに、仕事が出来ているのは、「今はお目こぼしをいただいているだけだ」と卑下すれば、当然そういう見方も出てきます。
そういう可能性がないとは言いませんが、だからこそ一日も早く、動物病院の独占価格に寄生するだけではなく、一般の飼い主さんの利益に貢献することで「犬の飼主さんにとってなくてはならない業種」として社会的に認知されることを目指すべきでしょう。
家庭薬の通販を実質的に禁じた厚労省の規制が、既存の薬局業界を不当に優遇するものとして多くの反発を生み、規制見直しを迫られていることは衆知のとおりです。
一番大事なのは消費者(犬の飼い主さん)に支持されることです。

予防をしないリスクは副作用のリスクの数千倍、数万倍に及びます。
価格が高いとか、処方薬だから検査をしなければ危険だとか、どんな後付の理由をつけても、要は業界の都合以外にありません。
動物病院業界が今の販売方法を続けることは多くの犬がフィラリア予防をしてもらえる機会を奪うことです。

海外業者が情報発信力と低廉な価格で新しい市場、つまり今まで予防をしていない飼い主さんの需要を開拓すれば、予防の普及率はその分向上し、またそのことで動物病院の業界価格が下がれば、フィラリアで苦しむ犬の数はその分少なくなります。
どこの犬であれ、誰の犬であれ、フィラリア予防をしてもらえる犬が増えるのは喜ばしいことだと思いますが、いかがでしょうか?

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