狂犬病の絶滅に向けてはWHOをはじめ、世界中の諸機関が熱心な取り組みを見せています。
狂犬病は貧困国家の中の貧困地域での問題です。「地域住民に狂犬病予防についての知識を啓蒙し、出来るだけ多くの犬達に予防ワクチンを接種すれば解決する問題なのです。」
狂犬病はそれを絶滅させる道筋が見えているといえます。
ですから、システム的な活動も出来るし、取り組もうという団体も増えて着実な成果を挙げています。
WHO(世界保健機関)OIE(国際獣疫事務局)FAO(国際連合食料農業機関)GARC(Global Alliance for Rabies Control)などが協力し、
15年後の2030年には狂犬病による死者をゼロにするという取り組みが開始されているほどです。
WHOホームページから抜粋 全文はこちら
In December 2015, a global framework to reach zero human rabies deaths by 2030 was launched by WHO and the World Organisation for Animal Health (OIE), in collaboration with the Food and Agriculture Organization of United Nations (FAO) and the Global Alliance for Rabies Control. This initiative marks the first time that the human and animal health sectors have come together to adopt a common strategy against this devastating but massively neglected disease.
Many countries in the WHO South-East Asia Region have embarked on elimination campaigns in line with the target of regional elimination by 2020.

そんな中で、狂犬病の発生数は減る兆しがないなどと寝言を言っているのは狂犬病予防注射によって何らかの利益を得ている業界だけです。

バングラディシュの例では多くの犬に対する熱心なワクチン接種により2011年から2015年までに狂犬病による死亡者は半減しています。
(出典:WHO Control and elimination strategies)

狂犬病予防法は元々国内に狂犬病ウィルスが存在していた時代、それに立ち向かうために作られた法律です。
第一条  この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、及びこれを撲滅することにより公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。
日本では過去60年間人はおろか飼い犬飼い猫野生動物にも狂犬病は発生していません。
つまり、予防法の目的である狂犬病撲滅の目的はすでに達していることになります。
60年間狂犬病が発生していない成果を撲滅と言わないで、何を「撲滅」と言うのでしょうか?
ですから、国内に狂犬病の発生源がないと確認された時点で、新しい環境に応じた廃止または大幅な改革が必要だったのですが、利権を手放したくない人達によって問題のすり替えが行われ、いつの間にか「海外にはまだ狂犬病が発生している以上国内にも狂犬病が侵入する可能性がある」という狂犬病予防法の「発生を防止する・・・」という一言の超拡大解釈で狂犬病予防接種は続けられています。

そんな業界にとって、予防接種継続のよりどころである海外の狂犬病犠牲者がなくなったりしたら困ります。
そして、それ以前に狂犬病予防注射の実態が飼い主さんに伝わってしまったら予防注射をしない飼い主さんが増えて利益が減ってしまいます。
飼主さんはいつまでも裸の王様ではありません。狂犬病が来るぞ!と叫んでも予防注射に駆けつけなくなります。
獣医師会がどんな理屈をこねても政治力を使っても、世界から狂犬病がなくなりつつある今、狂犬病予防法の命運は知れています。
もちろん、動物病院の経営にも大きな影響が生じます。

しかし、狂犬病予防法がいよいよ有名無実になりフェードアウトするような事態になると、今でも40%に過ぎない登録率でしかない犬の登録システムもまた完全に有名無実になってしまいます。
これは犬にも飼い主さんにも動物病院のためにもなりません。
であれば、動物病院も狂犬病予防法の利権に頼らない経営体質を早めに作るべきではないでしょうか?


現行の法律では 予防法をこう変えたらどうだろう?
年に一回、飼い犬に予防接種を受けさせることが義務になっており、違反者には20万円以下の罰金が課せられる。注射には一回¥3000の費用がかかる。
意外と知られていないことではあるが、
予防接種をしていても犬に鑑札をつけていないと同じように罰金刑に処せられる。(狂犬病予防法 第五章(罰則)第27条一項)
つまり犬の飼い主さんのおそらく99%が狂犬病予防法に違反していることになるが、だからといって予防法の建て前が崩れてしまう法の一部改正をしようという動きはない。
狂犬病予防注射は最終的にヒトの法定伝染病の予防接種と同じように努力義務とし、接種するかしないかは飼い主さんの判断に委ねる。(どうしてもワクチンを打ちたいという飼い主さんがいたとしても、オーストラリアのように予防ワクチン接種を禁止することはしない。)
当然、罰則は廃止。
集合注射も廃止し保健所の事務負担を軽減する。

ワクチンの接種が不要になれば厚労省や農水省が介在する必要もなくなり、そのままでは犬の飼育状況の把握がまったく出来なくなるので、
業界から自立した犬の登録センターを動物愛護を管掌する環境省に設置し、自転車の防犯登録と同様のイメージで、低額(自転車の場合は¥500)で登録できるようにすればよい。
自転車と違って「防犯」の観点がいらないので、飼い主が直接ネットでの登録もできるようになるほか、ペットショップ、ブリーダー、動物愛護団体、動物病院などでも登録の代行ができるように飼い主さんの利便を図ることもできる。(予防接種義務がなければ、生後3ヶ月未満の仔犬でも登録できる。)
犬の飼育状況を把握し、メールで一斉同報できるようにすることで、狂犬病対策だけでなく他の感染症拡大防止や災害発生時などでも有用な情報を共有できる。(現在の登録システムはメールの利用を想定していない。)

ネットを利用すれば、飼い犬の動態調査(飼い主の移転、死亡や譲渡など)も容易に出来るようになる。
登録費用を積み立てることで万々一狂犬病が発生した場合でも、発生地域周辺で集中的に予防ワクチンを無料接種するシステムができる。
犬を飼育しようとする人は保健所に犬の登録をしなければならない。登録費用は自治体によって異なるが¥3000程度。
狂犬病予防注射と連動しているために保健所や動物病院でしか登録できないシステムが、犬の登録率が半数に満たない現状を招いている。この費用は自治体の管理事務費(狂犬病予防注射のダイレクトメールなど)に使われる。
狂犬病予防法
第十三条 都道府県知事は、狂犬病が発生した場合において、そのまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、期間及び区域を定めて予防員をして犬の一斉検診をさせ、又は臨時の予防注射を行わせることができる。
飼育登録率40%では狂犬病予防法第13条の円滑な実施は望めない。

そもそも必要のなくなった予防注射を法律により飼い主さんに強制することで、150億とも200億とも言われる注射料金の大半が獣医師会や動物病院に流れ込んでいる。動物病院は全国に10,000軒しかない。狂犬病予防法が廃止されれば、動物病院は狂犬病予防接種による利益が減少する分、不妊手術の啓蒙など自分の努力と実力で収入を得られるように体質改善することが求められる。つまり普通の仕事になることが期待される。


無意味になった狂犬病予防接種はなぜなくならないか?

昭和25年に狂犬病予防法が施行されたとき、この法律には充分な意義がありました。
戦後の日本の混乱状態の中で狂犬病が発生し毎年数十名の命が失われていたからです。
犬の飼い主さんには狂犬病の恐ろしさと予防接種の必要性が、接種しなかったときの罰則と共に周知徹底されました。
昭和32年、犬猫を含めて狂犬病の発生がなくなったとき、この法律の存在意義はまだ失われていませんでした。
狂犬病ウィルスが完全に姿を消したと確信できるまでに、野生動物数世代分の確認期間が必要だったでしょう。


狂犬病が発生しなくなってから60年以上を経過した今も狂犬病予防接種の強制は続いています。
狂犬病を予防することに反対する人はいません。
しかし、狂犬病の予防対策をとることと、予防ワクチンの強制接種をすることとはまったく意味が違います。
国内に狂犬病の病原ウィルスが存在しない今、予防対策は海外からの病原侵入を防ぐこと、そして万一侵入があったときの迅速な対応にあるのは明白です。
このことはここで繰り返すまでもなく、多くの人が指摘をしています。

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